患者家族とのコミュニケーションで大切な事は、家族は何かしら困っている事はないか?何か手伝える事はないか?という事を考え、実行に移す事です。
患者家族というのは、家族とはいえ患者の慣れない看護で疲れています。
特に自宅療養の場合は看護師が行う吸引や点滴の管理なども行いますから、毎日その仕事に追われて心が折れてしまいそうになる事も。
また、患者が重病であればあるほどそのショックは大きく、心身ともにストレスがとても大きくなりがちなのです。
そんな患者家族を支える為に、看護師の中にまたも新しい専門看護師という形が出来たのをあなたはご存知でしょうか?
2008年に出来た“家族支援専門看護師”は、患者の病気回復を促進する為にその“家族”を支援する看護師をいいます。
家族支援専門看護師は、病気は患者だけでなくその家族をも巻き込む問題として捉えます。
そして患者もとい家族がその病気と正しく向き合えるよう、インフォームド・コンセントを重要視。多様化した家族のあり方に沿ったホスピスケア・看護を出来るように心掛けています。
家族が大変だと感じている看護の業務を手伝うのは意外と容易いと思います。なんせ普段からやっている事ですからね。
しかし、その心に寄り添うというのは、ベテランであっても出来ない人は出来ません。
ここで大事なのは、“傾聴”です。コミュニケーションを語る上でよく出てくるこの言葉は、相手の話に耳を“傾”けて“聴”く事をいいます。
「毎日の忙しい業務の中でそんな暇があるワケない!」とお怒りになるかもしれませんね。ごもっともなご意見だと思います。
しかし、この“傾聴”は、5分でもいいですから、相手の言いたい事を聞き入れるだけでいいのです。
これは出来れば向き合って行う事が望ましいですが、難しいならば作業中でも構いません。
ここでは「こっちが真面目に話してるのに!」と思われてしまう場合もありますから、
後ろ向きなどであれば「後ろ向きで申し訳ありません。」と言葉を添えて、そして理解した時には相槌や頷きをしながらお話の相手になりましょう。
大事な家族のケアをしている最中であれば、それ以上強くは言わないはずですよ。
少しでもいいですから、家族が自分の言いたい事をずらっと話し「あ~スッキリした」と言って貰えれば合格です。
話し上手、聞き上手というのがありますが、この場合は出来るだけ聞き上手に回れるように心掛けてみましょう